鳥に乗って
- 2025年12月18日
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次男は小さい頃、よく風邪をひいていました。風邪は必ずと言っていいほど酷くなり、喘息様気管支炎や肺炎になり、入院するというパターンでした。

その日も風邪から肺炎になり、あと一日熱が下がらなかったら明日から入院ということを医師から告げられていたので、私は体がきついせいで機嫌が悪く泣いてばかりの次男をあやしながら、入院準備を進めていました。
ふと気が付くと、外で鳥の鳴き声が聞こえてきました。私が泣いている次男を抱っこしながら窓の外を見ると、ヒヨドリの幼鳥がベランダの手すりに止まっていたのです。
「鳥さんの赤ちゃんがいるよ」
話しかけると、次男は泣き止み、窓の外を見て言いました。
「鳥さんの赤ちゃん?お母さんを待ってるの?」
「そうだね。巣立ちしたばかりの子どもかな?」
しばらく二人で見ていると、親鳥らしき大人のヒヨドリが幼鳥のそばに飛んできて、隣に止まりました。二羽はしばらく鳴き合った後、一緒にパーッと飛び立ち、空高く飛んで行きました。
「お母さんが迎えに来たんだね。良かったね」
と私が言うと次男は
「あれはおじいちゃんだよ。」
と言うのです。そうか、おじいちゃんだったのか。よくわからなかったけど、次男には親鳥がおじいちゃんに見えたんだな、と思って特に気には留めませんでした。
二人でヒヨドリたちが飛んで行った空を見上げると、そこには丸い半円を描いたきれいな虹が出ていました。
「虹が出てるねー。○○ちゃんが頑張っているから、神さまがご褒美に虹をかけてくれたんだよ、きっと」
と私が言うと、次男は
「神さまじゃないよ。おじいちゃんだよ」
今日はやたらとおじいちゃんにこだわるな、とは思いましたが、やっぱり特に気に留めませんでした。
その夜、夫の母から電話がありました。遠方に住んでいた夫の母方の祖父、子どもたちの曽祖父が亡くなったという知らせでした。
次男はまだ会ったことが無かった、ひいおじいちゃん。
虹の橋を渡る前に、鳥の体に魂を乗せて、生きている間には会えなかった、一番小さいひ孫に会いに来てくれたのかな、と思いました。
翌日、次男の熱はすっかり下がっており、入院しなくてもよくなりました。



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