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幻聴ではない…
子どもの頃、ピアノ教室に通っていました。 レッスンルームが併設されている先生の自宅に習いに行っていたのですが、私がレッスンを受けている部屋の他に、もうひとつレッスンルームがあったと記憶しています。 その日、いつも習っている部屋でレッスンを受けていると、かすかにどこからかピアノの音が聞こえてきました。先生と一対一のレッスンだったので、他の生徒と遭遇したことはなく 「あれ?」 と思って先生を見ると、なんだか真っ青な顔をしており、びっくりした私は 「先生、大丈夫ですか?」 と尋ねました。先生はそれには答えず 「基朋ちゃん、なにか聞こえる?」 と聞いてきました。 「ピアノの音が聞こえますけど…私の他にも生徒さんが来ているんですね。もうひとつの部屋で練習しているんですか?」 「…なんの曲かわかる?」 「…先週くらいに私も弾いていたバッハのインベンションですよね?」 「…やっぱり聞こえるんだ…」 先生はそれだけ言うと、 「今日のレッスンはここまでにしましょう」 と言って、その日のレッスンは終わりました。 家に帰って、母に今日のレッスンの内容と、なんだか様子が
2025年11月15日読了時間: 3分


先帝祭の夜
私が子どもの頃の話です。 小学2年生から4年生まで山口県下関市に住んでいました。その昔、壇ノ浦の戦いで源氏が勝ち、平家の人々が海の底に沈んでいった場所です。下関では平家の人々と幼くして亡くなった安徳天皇の霊を鎮めるため、先帝祭というお祭りがあります。安徳天皇に扮した子どもと、華やかな着物を着て女官に扮した人たちが行列をなす様は美しく、子どもの私は「大人になったら、この行列に参加したい」と思っていました。 今は違うかもしれませんが、私が子どもの頃の先帝祭は日のあるうちに開催され、夕方になると見物していた人々もみんな家路につき、人通りはまばらになっていました。 私の家は高台にあり、先帝祭の行列が通るメインストリートがよく見える場所で、わざわざ苦手な人混みに行くよりも家から見物して楽しんでいました。 ある年の、先帝祭が終わった夜のことです。私は寝ていたのですが、外がざわざわとしているような気がして起きました。夜中の2時くらいだったと思います。すぐ近くに青果市場があり、朝の4時くらいになると市場で働く人々のざわめきのような音が聞こえてくることがあったので
2025年10月5日読了時間: 2分
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